財政制度等審議会の「平成財政の総括」がよくまとまってた件

先日、財政制度等審議会・財政制度分科会が「平成31年度予算の編成等に関する建議」を公表した*1のですが、「平成最後の予算編成になる」ということで、冒頭で平成時代の財政の総括をしてました。
これがよくまとまっていたので、簡単に紹介します*2

  • ●平成の初め頃は、消費税の導入(平成元年4月)もあって特例公債(赤字国債)からの脱却が達成されたが、その後、特例公債は増え、平成30年度当初予算ベースで27.6兆円。
  • ●特例国債は、将来世代に資産を残すことなく負債のみを残すもの。さらに、少子高齢化によって、将来世代の1人当たりの負担が重くなる中で、「負担先送りの罪深さはかつての比ではない」。
  • ●建設公債についても、公共事業や施設整備の恩恵を受ける将来世代の人口は当時の想定よりも遥かに少ないなど、費用の負担のみを背負わせた例は多々見られる。
  • ●今年度末の一般政府債務残高はGDP対比238%に達しようとしており、第2次世界大戦末期の水準に匹敵している。
  • ●平成14年から目標としているプライマリーバランスの黒字化は、15年以上経っても達成されていない。
  • ●財政には、所有権が存在せず、多数の主体がアクセス可能な資源が過剰に利用され枯渇するという「共有地の悲劇」が当てはまる。

と、総じて厳しい論調となってます。平成初めはバブル景気も続いてましたし一時的に良かっただけで、その後は景気後退や災害対応(阪神淡路大震災は平成7年)、少子高齢化の進展などで厳しい状況だったということなのでしょうか。

そして、こうした(失敗した)平成財政の背景には「受益と負担の乖離」があるとして、今の社会保障・税一体改革を負担の先送りに歯止めをかける努力と位置付けています。
EBPM(エビデンスに基づく政策立案)の重要性にも言及していますね。

こうした導入のあと、個別の論点に入っていくわけですが、参考資料*3にはたくさんグラフが載ってて、眺めてるだけでも勉強になり(そうな気がし)ます。
まだ精査できてないのですが、個別の論点で面白そうなものがあればまたの機会にご紹介しますねー。

ではでは。

*1 平成31年度予算の編成等に関する建議(平成30年11月20日)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia301120/index.html

* 2 ちなみに、(参考1)概要(pdf)には本文全体が2ページ(!)で要約されてます。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia301120/02.pdf

*3 (参考2)参考資料(pdf)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia301120/03.pdf

この記事を書いた人

野中かのん